ファミリーコーチ PROJECT

体組成とは、筋肉・脂肪・骨・水分など、体を構成する組成分のことで、市販の体組成計で測定することができます。 体組成計は、体に微弱な電流を流し、その抵抗値から体組成の数値を簡易的に算出するものです。 例)体脂肪率・脂肪量・筋肉量・体水分量・基礎代謝量・内臓脂肪レベル・BMIなど 毎日測定することで、自分の体の状態を確認することができます。   人間の体の約6割は「水」、重要なのはその「質」   人間の体は筋肉・脂肪・骨・水分で構成されています。水分はその6割を占めています。 理想的な体組成の数値は下の表を参照してください。     女性は男性に対し、脂肪が5%高くなるかわりに、水分は60%ではなく55%と低くなります。   ここで重要なのは、体の6割も占める水分の「質」です。     水分は、細胞内液3分の2と細胞外液3分の1とに分けられ、さらに細胞外液は、体内を循環する血液とリンパ液、細胞と細胞の間に存在する間質液に分けられます。 むくみ(医学用語で浮腫)は、その間質液が皮下の組織に余分にたまった状態で、心臓・腎臓・肝臓・内分泌の病気、栄養状態の悪化などさまざまな原因で起こります。 一般の体重体組成計の水分量の数値には、そういった細胞外液も含まれていることを理解しておく必要があります。   筋肉量に関しても同様で、体組成系で理想的な数値を示していても、自己流の運動などにより、筋肉がつくべきところについておらず、つける必要のないところについている場合があります。   さらに減量中、体重が減ったからといって喜ぶことができない場合があります。 脂肪の量はそのままで、筋肉や水分の量が減少していると基礎代謝は落ち、リバウンドしやすくなります。 体重の増減よりも体組成を知り、その推移を正しく見ていくことが重要なのです。   ※注1 上図の筋肉量の18%という数値は、水分に含まれる細胞外液を差し引いた筋肉の量として記しています。    鏡の前でまっすぐに立った時、どちらかの肩があがっている、 横を向いて立った時、背中が丸まって顎の位置が体のラインより前に出ている、 お腹がぽっこりと出て腰が反っている 足の裏にタコができている、靴底がどちらかだけ極端にすり減っている…   それらの状態は体がゆがんでいる証拠です。   前かがみになってパソコン作業やスマホ操作、つい脚を組んで座ってしまう、 カバンや荷物を持つ手が左右どちらかに決まっている、考え事をするときに頬杖をついている、などなど日常生活において体がゆがむ原因は様々です。   背骨、骨盤など体にゆがみが生じると、筋肉まで収縮し、緊張状態になります。 結果、寝つきは悪くなり、爽快な朝を迎えることができません。 なかなか眠れないという方、寝ても寝ても疲れがとれないという方は、まず体のゆがみを疑ってみる必要があります。背骨や骨盤など体のゆがみは、神経の通り道を圧迫し、自律神経にも大きく影響します。 自律神経は、脳の視床下部から人間の体全体に行きわたっている末梢神経のひとつです。呼吸、消化、体温調節や血管の拡張・収縮など、24時間休むことなく、私たちが生きていく上で欠かせない働きをコントロールしており、自分たちの意志でその働きを制御することはできません。     重要なのは交感神経と副交感神経のバランス 自律神経は交感神経と副交感神経に分けられます。 交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキによくたとえられますが、仕事をしたり緊張したりしているときは交感神経が、休んだりリラックスしているときは副交感神経が活発です。   交感神経と副交感神経はバランスをとりながら働いており、どちらかが上がりすぎたり下がりすぎたりするとバランスを崩し、体や心に様々な影響を及ぼします。     交感神経と副交感神経のバランスのイメージ  

自律神経が乱れると不安・イライラする、めまい・動機・息切れ、疲れやすい・だるい、眠れない、うつぎみ・気分の落ち込み、集中できない・やる気が出ない、便秘・下痢、腰痛・肩こり・背中の痛み、冷え・むくみ

出展元:小林暁子『たった3日で自律神経が整う Dr.小林流 健美腸ファスティング(主婦の友社,2016

    副交感優位のリラックスした毎日を、という言葉を見かけますが、副交感神経だけが一日中優位になっている状態は望ましくなく、ほどよい緊張や運動などで交感神経を活発にすることも必要です。 交感神経が活発になりはじめる朝にきちんと起きて行動し、副交感神経が働き始める夕方からはゆっくり過ごし、休む、といった自律神経のリズムに合わせて生活することが健康でいられる秘訣の一つです。   しかしながら、現代のストレス社会を生きるわたしたちは常に交換神経が優位になりがちです。 副交感神経が低下すると、血管は収縮し、血流が悪くなります。老廃物も代謝されなくなり、内臓は緊張状態に。結果、肥満につながります。 また、不安やイライラから不眠や疲れ、仕事に集中できない、やる気が出ないなど悪循環に陥ります。 体のゆがみを正しく整え、日々のストレスから解放されることが自律神経のバランスを整える最善の方法です。     音楽やアートで副交感優位に たまにはテレビや雑音のない大自然のなかで散歩をする、音楽やアートとコミュニケーションすることも副交感神経を優位にする一つの方法です。 本サイトでは、ブンネ音楽とアートリップのプログラムを紹介しています。 体組成を正しく整えるためにプランを立てていきます。 無理せずリバウンドしにくい健康的なダイエットを行うには、自分の体内で自分の脂肪を燃焼させる、つまり、基礎代謝を高める必要があります。 ここでは、その方法についてご紹介します。   ①現状と目標の数値を書く 体組成計が示す数値(現状)と、目標値は下記のサンプルを参考に記入して下さい。 目標体重は、過去の自分を振り返り、もっとも理想とするスタイルだった時の体重を設定するとよいでしょう。 但し、BMIが20未満にならないように設定してください。       サンプル1)【減らすべき体重>減らすべき脂肪】のケース 41歳、男性、身長180cm、体重102.6kg     あらためて目標を書く  体重  24.6kg ダウン 脂肪  17.0kg ダウン   減らすべき体重約24㎏のうち、約7割を脂肪でダウンさせる必要があるということです。 目標を記入した紙は、普段よく目にする場所に貼っておくのがおすすめです。   目標達成にむけたプランを立てる 目標が決まったら、次にその実践計画です。   下の写真をご覧ください。脂肪1kgの大きさです。   サンプル1の男性の目標は「脂肪 17.0kg ダウン」とあります。 つまり、この塊17個分の脂肪を自分の体内で燃焼させなければならない、ということです。   そこが決まればダイエットの期間が見えてきます。   「2006年カナダの肥満予防ガイドライン」では、体重減少のスピードは最大1週間あたり0.5から1kg(1か月で4kg)までを目標とすることが記載されています。 この男性は体重約24kgを落とす必要があるため、毎月4㎏ずつ落とすと想定すると、 24kg÷4kg=6か月(180日)   そして、1gあたりの脂肪分は9kcal。 この男性は17kgの脂肪を落とすことを目標にしていますので、 17,000g(17kg)×9kcal=153,000kcal トータルで153,000kcal分の脂肪を消費する必要があります。   153,000kcal ÷ 180日=850kcal/日   1日に必要なカロリー(基礎代謝量+生活代謝量)を約850kcal減らせば、理論的には6か月で脂肪17㎏の減量に成功するということになります。   この1日850kcal全てを食事の量で調整することはなかなか難しいと思われます。 例えば、食事の量でマイナス500kcal/日、残りの350kcal/日を運動量の増加で実践すると目標達成しやすいという方もいます。「散歩30分で100kcal消費」と覚えておくと良いでしょう。 ライフスタイルに合った目標の立て方が大切です。     ほか2名のサンプルをご紹介します。   サンプル2)【減らすべき体重=減らすべき脂肪】のケース 41歳、女性、身長154cm、体重65.4kg    このサンプル2の女性の目標は    体重  13.3kg ダウン     脂肪  12.8kg ダウン   目標とする体重減少約13kgのほとんどを脂肪の減少で達成しなければなりません。 この場合、筋肉の量が落ちないように運動をしながら脂肪を落としていく必要があります。     ケース1のように1か月に体重4㎏ダウンとするならば、期間は単純計算すると、   13.3㎏÷4㎏/月 ≒3.3か月(100日) となります。   そして、この方は脂肪12.8㎏ダウンを目標としているので、      12,800g(12.8kg) ×9kcal=115,200kcal    115,200kcal ÷100日=1,152kal/日 1日に必要なカロリーを1,152kcal減らせば実現できるということです。   ただ、食事だけで1000kcalを落とすことは難しいと思います。 食事で500kcal、残りの652kcalを運動で落とすとしても、1日のうち、約3時間を運動の時間にあてる必要があります。   現実的な方法としては、1日500kcal減を目標とし、200kcal分の運動と1日あたり300kcalの摂取カロリー減にすれば、     115,200kcal÷500kcal/日=230日   この方は、12.8kg分の脂肪を230日(約8か月)かけて落としていくことを目標に設定しました。     サンプル3)【減らすべき体重<減らすべき脂肪】のケース 45歳、女性、身長158cm、体重59.9kg   このサンプルの女性の目標は  体重  5.0kg ダウン     脂肪  7.1kg ダウン   体重は5.0kgダウンが目標ですが、脂肪量は7.1kg落とす必要があります。 2.1kgもの差があり、しかも、体重の減少量よりも脂肪量の減少量が上回っています。これは、筋肉の量を増加させながら脂肪の量を減らすという一番難しいケースです。     7,100g×9kcal=63,900kcal   63,900kcal÷500kcal/日=128日   128日(約4か月)かけて約7㎏の脂肪量ダウンと約2㎏の筋肉量アップを目指します。 筋肉量が増えると基礎代謝があがり脂肪の量は減少します。 このケースでは、いかに筋肉量を増やすかが課題のため、1日500kcalのカロリー減はできる限り運動で達成することが望ましいと思われます。姿勢の悪さや体のゆがみは下記の2つの方法でチェックすることができます。 骨格のねじれについて正しく知ると、どこをどうなおせばよいのかがわかってきます。   【1.壁を使って前後の傾きをチェック】 ①壁を背にして立ち、足元は軽くそろえてかかとを壁につける。 ②上から後頭部、肩、お尻、ふくらはぎを壁につける。   チェックポイント       リラックスした状態で壁を背にしてかかとを壁につけて立った時、上表の1~4のうち、壁につかないところがあれば、体にゆがみがある状態(猫背や反り腰)です。 その4箇所が壁についたとしても、姿勢を保つことが難しい場合は同様です。 腰と壁の隙間に関しては、手を差し込んでみて、片手分がちょうど入るくらいが理想的です。   正しい姿勢と悪い姿勢     【2.鏡を使って左右の傾きをチェック】 ①全身が映る鏡やカメラの前で正面を向き、足をそろえてまっすぐに立つ。 ②下の項目で1つでも当てはまれば、体がゆがんでいる状態である。   □頭が左右どちらかに傾いている □顎先が中心からずれている □右肩か左肩があがっている □骨盤の高さが左右で異なる     例えば、顎先が中心から右にずれている人の場合、頭は左に傾き、バランスをとろうと右肩は下がり、骨盤は右側があがってきます。そうすると、左足の筋肉は収縮し右足よりも短くなります(左の靴底の減りが右側よりも早い人はこのタイプです)。   このように、ひとつの体のゆがみ、ずれが体全体に影響します。 日頃から正しい姿勢と、それを支える筋力をアップさせることを意識する必要があります。考え事が多くてなかなか眠れない、夜中に何度も目が覚める、8時間も寝たのにまったく疲れがとれていない、昼間、仕事中に眠くなる…   現代のストレス社会において、睡眠に悩みを抱えている人が多く見られます。 睡眠が不足したりその質が悪かったりすると、仕事や日常生活に悪い影響を及ぼすほか、生活習慣病や精神的な病のリスクが高まります。   また、睡眠の質は、体温調節、体の修復や疲労回復・成長に関連するホルモン分泌と大きく関わっており、これらは体内の代謝活動を促進したり、自律神経のバランスを整えたりする重要な働きをします。 睡眠の質を向上させればさせるほど、疲労から心身を回復させ、健康維持や成長につながり、ダイエット、美容促進、スポーツのパフォーマンスアップなどにも効果をもたらします。   ここでは、良質な睡眠がとれていること=自律神経が整っていることとし、それを目標とします。     ■質の良い睡眠 ・寝つきがよい ・朝の目覚めがよい ・目覚めたとき、体に痛みや疲労感がない ・日中、眠気がない筋肉や体内の水分の量は多ければいいということではありません。 「体組成を知る」でも述べていますが、体重体組成計で見る水分量の数値に問題はなくても、実際には炎症などによる浮腫(むくみ)といった体に本来不要な水分が含まれている場合があります。また、運動不足にならないよう心がけていても、自己流の運動などにより、筋肉がつくべきところについておらず、つける必要のないところについている方が多く見受けられます。   まずは、正しい知識のもと、体のゆがみやねじれをとり、同時に余分な水分や老廃物を体外に出して減量しやすい体をつくること、それが、私たちが考える「体」の デトックスです。多忙な毎日のなかで“やらなければならないこと”に追われ、それがストレスになっている方は多と思います。 そのストレスを軽減させる方法の一つとして、「TODOリスト作成」があります。 “やらなければならないこと” を箇条書きにし、いまやるべきこと、そうでないこと、いつやればいいのか、など整理をしてみましょう。心がふっと軽くなるはずです。ぜひ、“心”のデトックスも実践してみてください。一般に「ファスティング」というと、一定の期間、食物を断ち水のみ、あるいは水と塩のみで過ごす「断食」のことだと思われがちですが、われわれが考えるファスティングの目的はデトックスと減量です。   腸内環境を整え、筋肉の量が落ちないように私たちは麹や豆乳を用いたファスティングを推奨しています。 効果的に体に溜まった老廃物を排出するために、ファスティング中に飲む水は蒸留水(※注2)を使用すると良いでしょう。   ※注2 蒸留水は、水道水を一旦沸騰させ、蒸発するときに出る水蒸気を今度は冷却し、その際にできた液体のこと。 沸騰させる際、水に含まれるカルキなどの不純物がほとんどなくなった純度の高い水のため、体の細胞に浸透しやすく、老廃物を排出する時間もとても早いと言われています。a. 摂取カロリーの減らし方   b.脂肪とたんぱく質の摂り方   ・必要不可欠な脂肪   ・動物性/植物性たんぱく質の摂り方   c.ミネラル・ビタミン   d.腸内環境を整える発酵食品a. ライフスタイルと1日の運動時間   b. 効率のよい運動方法  ・筋肉のタイプ  ・筋トレと有酸素運動  ・マシーンの利用  ・整体a. 睡眠時間   日本人の成人の平均睡眠時間は、健康な状態で一晩6時間から8時間でそれが標準的とされています。 しかし、加齢とともに徐々に早寝早起きと朝型傾向が強まり、日の長い季節では睡眠時間は短く、日の短い季節では長くるなど年齢や季節でも異なります。   短い睡眠は日常生活や健康に悪影響をもたらしますが、長時間の睡眠をとったからといって必ずしも疲れがとれるわけではありません。休日に寝過ぎたりすると、生活のリズムが乱れるだけでなく、体の不調につながります。 「昼間に眠くならない程度の自然な睡眠」がその人にとって最も適した睡眠時間です。 参考/厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014」(2,014年3月)     b. 睡眠の時間帯   “午後10時~午前2時は睡眠のゴールデンタイム” という言葉をよく耳にします。 しかし現代社会においては、残業で帰宅が遅くなったり、家事や育児に追われていたりと夜10時就寝なんてとても…という方は多いと思います。   睡眠は、レム睡眠(浅い)とノンレム睡眠(深い)という2つの眠りを交互に繰り返しています。 成長ホルモンの分泌は、ノンレム睡眠のときがピークに達します。肝心なのは時間帯ではなく、最初に来るノンレム睡眠がどれだけ深いかどうかです。 成長ホルモンは、“睡眠ホルモン”と言われるメラトニンによって促されています。 メラトニンは脳の奥深くにある「松果体」という器官から分泌されるホルモンの一種で、副交感神経(リラックスモード)を優位にさせる働きがあります。目から入ってくる光の量と密接な関係があり、その分泌は朝日を浴びて約15、16時間後に増え始め、その2、3時間後にピークを迎えると言われています。   例えば、朝8時に朝日を浴びたとします。 眠くなるのは15、16時間後の夜11時、12時、メラトニンが最も分泌されるのは午前1時、2時となります。 最初のノンレム睡眠に入るのが寝ついてから約90分後と言われているので、その2つが重なる時間、つまり、午前12時半~1時半あたりが成長ホルモン分泌のピーク、その方の睡眠のゴールデンタイムということになります。   ただし、就寝前にスマートフォンやパソコンの画面から出るブルーライトを浴びたり、蛍光灯の明るい部屋で眠ったりすると、メラトニンは分泌されにくくなるので、就寝前には暖色系の照明の下で過ごし、部屋を暗くして眠ることが重要です。     c. 睡眠と室内環境   室内の環境は睡眠の質に大きく影響します。 寝具を利用した状態で、室内温度16~26度、湿度50~60%を目安にするとよいでしょう。 ただし、夏は熱中症のリスクがあるため、就寝中、室温が26度以上の熱帯夜が予想される熱場合は、エアコンはつけたままのほうが眠りやすいこともあるかもしれません。 ほか、加湿器・除湿機などを上手に活用し、快適な温湿度環境をつくりましょう。     d.睡眠前の運動   体温と睡眠は深く関係しています。 私たちの深部体温(体の中の深い部分の体温)は夕方過ぎに最も高くなり、その後、就寝に向けて徐々に低くなっていきます。 寝つきを良くするには、その深部体温をいかに下げていくかがポイントです。    激しい運動は交感神経(アクティブモード)を優位にし、体温を上げてしまうため、就寝前に運動をすると体温がなかなか下がらず、寝つきは悪くなってしまいます。 筋トレのような無酸素運動は3時間くらい前までに、ウォーキングなどの有酸素運動を就寝の2時間くらい前までに済ませておくとよいでしょう。 就寝前はストレッチで体をゆっくり伸ばすなど、リラックスモードの副交感神経を優にさせる運動が効果的です。     e.睡眠前のアルコール摂取   わが国では、“眠れないときには寝酒”という誤った認識をしている方が多いようです。 アルコールは、覚醒作用をもたらすため、愉快でくつろいだ気分にさせてくれますが、それは微量の場合です。 アルコール量が一定を超えると眠くはなりますが、しばらくしてアルコール血中濃度が低下すると、覚醒作用が再び出始め興奮し、今度は眠れなくなります。   また、アルコールには利尿作用があるため、睡眠中、何度もトイレで目が覚めたり、脱水症状で喉がカラカラになったりし、熟睡はできていないことが多いはずです。 さらに、アルコールは肝臓で分解された後、アセトアルデヒド、酢酸など様々な物質に変化し、最終的には水と二酸化炭素水と炭酸ガスとなって体外に排泄されます。アセトアルデヒドは頭痛の原因になるほか、発がん性も指摘されています。 つまり、アルコールが分解され、酔いが覚めたとしても、脳や体に悪影響を与える有害物質は体内に残存し、睡眠中も分解・排泄などで体は働き続けるというわけです。アルコールの量が多ければ多いほどその時間は長くなります。 お酒を楽しんだ翌日、疲れがとれない、体調がすぐれない、となるのは当然のことなのです。 アルコール摂取は睡眠の3~4時間前までにし、下記の適度な量を楽しむ程度にとどめることをおすすめします。   ※適度な量 厚生労働省が推進する「健康日本21」(平成12年度~24年度)によると、「節度ある適度な飲酒」とされる1日平均純アルコールで約20g程度まで、ビール(アルコール度数5度)で換算すると中瓶(500ml)を1本程度とされています。   このビールを基準に、普段飲んでいるお酒のアルコール度数で換算するとそのお酒の適量がでてきます。         500×5÷(飲みたいお酒のアルコール度数)=そのお酒の適量(ml)    例)アルコール度数12度のワインの場合       500×5÷12=208(ワイングラス2杯程度)      アルコール度数15度の清酒の場合       500×5÷15=167(一合弱)      アルコール度数43度のウイスキーの場合       500×5÷43=58.1(ダブルでグラス1杯程度)   ただし、年齢や体質など個人差があり、その日の体調などによって、基準より少なく、あるいは節酒を心がけるようにして下さい。     f. 睡眠前のカフェイン摂取   カフェインは、覚醒作用があり、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制します。珈琲だけでなく、緑茶、烏龍茶などカフェインを多く含む飲み物は気を付ける必要があります。   ※ノンカフェインの飲み物 麦茶、はと麦茶、そば茶、コーン茶、どくだみ茶、黒豆茶、ルイボスティー、カモミール茶など     g. 睡眠と入浴   熱めのお湯に入るとアクティブモードである交感神経が刺激されてしまいます。 寝つきを良くするには、入眠までに体温を徐々に下げていく必要があるため、入浴は就寝の90分前を目安にするといいでしょう。 40度前後の少しぬるめのお湯(お湯につかったときに“気持ちいい”と感じる温度)に、体があったまるまで(額からうっすらと汗が出る程度)ゆったりとつかることをおすすめします。   h. 睡眠と夢 夢は、レム睡眠(浅い)のときも、ノンレム睡眠(深い)のときにも見ています。 まず、レム睡眠のときは、眼球がぴくぴくと急速に動いている状態、ノンレム睡眠のとき眼球は上転し、白目をむいている状態です。 レム睡眠中は、記憶と学習に関わる扁桃体や海馬といわれる大脳辺縁系が活動していて、脳の一部は起きており、記憶の定着が行われているとされています。夢をはっきり覚えているのはレム睡眠で起床した時です。 対して、抽象的でよく覚えていない夢は、深い眠りであるノンレム睡眠で起床した時です。 夢を見たので眠りが浅かった、とは一概には言えないようです。